デンマーク:デザインと社会を考える旅 No2. København

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    Velkommen til København!:ようこそコペンハーゲンへ!

    オーデンセを後にして、次にやってきたのは、デンマークの首都コペンハーゲン

    北欧の中でも、「小さな国」ととらわれがちなデンマーク。首都はどんなところなのでしょうか?私の想像上のコペンハーゲンは、キッチュな港町でした。それでそれで……他には、ユニークなトレンドを発信しているのだろうなとか、モダンと個性が融合したデザインやファッションが盛んなのだろうなとか、思い描きます。

    きらめく港町の風景に独特なユーモラスさが混じり合い、出会う一つ一つが新たなトレンドを紡いでいます。音楽、アート、ファッション……そして何よりデザイン。デンマークが誇るそのモード感覚は、まるで街全体が一つの「展示空間」であるかのようです。

    これからさまざまな現地の文化や価値観を巡り、個性溢れるデザインと触れ合う旅を始めることになります。

    お洒落女子向けブティックホテルに出会う

    宿泊先は、Coco hotelという評判高いブティックホテルでした。 お部屋は、ミニマリズムとシティモダンが見事な融合を見せ、まさにファッションの最前線から飛び出してきたかのようです。 お部屋のアメニティも一級品が使用されてます。

    ご存知の方にはご存知、ニッチな香水ブランドであるオルファクティブストゥディオのハンドソープが備わっており、モード好きにとってはたまらない特典です。

    宿泊先は、Coco hotelという評判高いブティックホテルでした。 お部屋は、ミニマリズムとシティモダンが見事な融合を見せ、まさにファッションの最前線から飛び出してきたかのようです。 お部屋のアメニティも一級品が使用されてます。

    ご存知の方にはご存知、ニッチな香水ブランドであるオルファクティブストゥディオのハンドソープが備わっており、モード好きにとってはたまらない特典です。

    ホテル内には、サステイナブルな滞在のための冊子も整然と置かれてます。コペンハーゲンでは、環境保護を推進する取り組みが全般的に行われており、ホテルも水の使用量削減やゴミの分別に力を入れてます。

    ホテルのロビーのカフェは、緑豊かな中庭に囲まれてます。まさに芸術作品のような空間と言えるでしょう!

    ただし、朝食に関しては、バイキング形式で提供されるため、品数やバラエティにはやや物足りなさと、金額を高めにを感じるかもしれません。

    しかしながら、Coco Hotelは周辺の飲食店と連携し、宿泊客は割引価格でディナーを楽しむことができる特典も用意してます。デンマークの物価が高い中、こうしたサービスは本当にありがたい!ガーリーな空間で、ローカルなトレンドやデザインを楽しみたい方には、是非とも推薦したいホテルです。

    文化とデザインが交錯する:カフェ

    晴天のコペンハーゲンで素敵なカフェにも出会いました。

    APOTEK 57:デンマーク流シンプルミニマルカフェ

    一つ目のカフェは、デンマークデザインミュージアムから歩いて然程遠くない、APOTEK 57という場所。

    朝早めに行ったつもりが、早速大行列が。ドリンク以外にもフォカッチャなどのご飯系も充実している!お腹を満たし、ほっこりした気分を味わえるカフェ。マニッシュでミニマリストな雰囲気でした。

    SONNY:ヘルシーなおしゃかわカフェ♡

    二か所目は、SONNYというカフェです。店内は、洗練されたデザインの。明るいインテリア。

    カフェメニューも、健康と美容に効果がありそうなものばかり!
    私はアボカドトーストポーチドエッグ乗せを注文しました。
    ドリンクは、シンプルな抹茶ラテでなく、このお店オリジナルのアレンジ抹茶ドリンク。なんと、抹茶以外にフルーツや炭酸水を混ぜて、日本の食材に独創性を加えているらしい……サプライズでした。

    黒パンにアボカドとポーチドエッグがON!演出もとても素敵。

    フランスベルギーでも「抹茶ラテ」が共通言語になる中、デンマークはデンマークなりに「抹茶」を表現しようとするのです。

    抹茶が流行中のこの街で、ニューエイジな抹茶ガストロノミーが楽しめます。今回いけなかった店舗にも「抹茶」を主題にしたドリンクやレストラン、バーがあるようで……デンマーク人の感じる抹茶が不思議でたまらなかった次第です。

    デザインと哲学......DDM(デンマークデザインミュージアム)

    DDM(デンマークデザインミュージアム)はデンマークにおける、デザイン文化と思考の発信を担う施設です。

    『デザインの本質は機能性でもあり、「使用用途」という目的を考慮する』

    そんなアイデアを表現する、デジタルサイネージアートが私たちを出迎えます。これから先は、正に「デザイン」を学問の面から、実用の角度から、深く考える世界が広がっているのです。

    グリーンランド:植民地化の歴史を芸術で訴える

    グリーンランドの民族神話からインスパイアされた置物。土着の民族と、侵略者の、共存の在り方について問いかけるような作品。

    好奇心を頼りに先を進むと、現れたのは「デンマークによるグリーンランド支配」を主題にした展示でした。

     

    グリーンランドは、デンマークの領土の一部でした。デンマーク人は原住民を追いやり、この地の資源を搾取してきました。

     

    こうした歴史的事実に対して、昨今話題の「環境」や「植民地」のあり方、「多様性」や「民族性」といった観点を交えて、様々なアート作品やクラフトが紹介されています。

    亜鉛鉱山をダイナマイトで砕くための器具も展示され、自然を野蛮に壊す人間の欲が垣間見えます。

     

    小さな島国日本も、環境破壊や、太平洋戦争下におけるアジア諸国の支配の歴史など、類似課題はあります。デンマークは、多くの大国に囲まれた島国です。それでありながら、自国の歴史を客観的に捉え、批判的な姿勢も見せる……こうした考えに感嘆しつつも、デンマークの、富を生み出すために実行される、「恐ろしい手法」の生々しい表現が胸に刺さりました。

    テクノロジーとアートの未来

    二つ目の展示は「技術とアート」……未来の芸術の姿を模索する内容でした。

    目まぐるしく変化する時代の最中、現代はテクノロジーの力により、芸術を大きく変わってきています。

    「デジタルと高齢者」を主題にした展示会。未来の高齢者の姿を想像しています。

    社会とデジタルとアートという三つの軸を重視する中で、特に印象深かったのは、「高齢者とデジタル」という視点で、未来の高齢化社会を予測した作品群です。

     

    未来の高齢者向けデジタルサービスのプロトタイプ、イメージ資料、想像上のUIや、高齢者向けプロダクトのデザイン案などが展示されており、こうした大胆な主題に対しても、デザインを活用することに臆さないデンマークの考え方に、感化されたのです。

    「デザイン」とは、日常や生活、そして社会にあるのです。

    他にも、「テキスタイル」とは「パターン」とは「アートコレクション」とは……「デザイン」と結びつく様々な「トピック」の展示が続きます。
    クリエイティブ業界で働く人、デザイナーやアーティスト、ただのアート好き、クリエイティブとは無縁の人にも、「デザイン」を理解するための、最初のきっかけをくれるミュージアムです。

    新しい美食の体験

    そして、デンマークと言えば食。
    今回の驚きの一つは、デンマークの美食文化でした。
    農業とフードテックが発展しており、レストランも多彩なジャンルがあります。

    グローバルな味覚のデンマーク人

    グリーンランドの民族神話からインスパイアされた置物。土着の民族と、侵略者の、共存の在り方について問いかけるような作品。

    オーガニックヘルシー海に囲まれた島国であるが故に、海の幸がとても美味しくてビックリ!Coco Hotel系列のレストラン以外にも、なぜか「南インドカレー」なども食べる機会がありました。でもどうしてか美味しい。デンマーク人に聞くと、コペンハーゲンは味覚が多様な都会なのだそう。

    道行く途中でも、お洒落なベトナム料理や、謎の創作和食屋さんが沢山あったりして……

    食へのグローバルな姿勢や、デンマークはヴァイキングの歴史を持ち、交易も盛んだったため、様々な食材に関心が開かれた都市なのです。

     

    デンマークは日本と比較すると外食がとても高いのですが、今回のホテルのオプションの、「ホテルの系列の飲食チェーンは値引き制度」を利用して、ありがたくレストランを堪能しました。

    コペンハーゲンでは絶対にシーフードを味わってください!新鮮な海老や魚が美味で、日本でもこんな魚介は食べれないです。

    コペンハーゲン×ブランディング×食

    そもそもデンマークと食には奥深いストーリーが。

    コペンハーゲンでは、NOMAなどの、ブランディングセンス溢れる一流レストランもあれば、健康意識の増加に同調するオーガニックなレストランも多いです。今回ヴェスターブロ(Vesterbrogade通りで、偶然発見した、米国文学にインスパイアされたCurfewというバーも、こうしたコンセプトカフェやバーのトレンドの一環です。

    ここのバーは、禁酒法時代の米国をイメージしています。中は、古き良きアメリカをイメージした、シックなインテリア。
    有名な偉人や作家から、着想を得たカクテルを出しています。材料やメニューにないドリンクも、リクエストすれば作ってくれる!

    Webで事前予約も可能ですが、飛び込み参加でも10-15min待てば入れてくれます。

    そんなこんなで、普段飲まない私も二日間ここでカクテルを楽しみました。(豪酒になった気分!)

    バーはエントランスの壁前面が本棚というセンス。
    マリー・キュリーという名前のカクテル。フラスコでお酒を注ぐのです。

    そして、デンマークの旅もいよいよ終わり。

    デンマークはとても合理的......
人々は素朴でフレンドリーでとても思慮深いと感じました。

    デザインと童話:二つの軸を元に、計画したデンマーク旅行もいよいよ終わりです。

    今回は、有名な観光地を巡るよりも、普段のデンマーク人の生活を覗けるような、ローカルのカルチャーやライフスタイル感を探ってみました。

    帰りのコペンハーゲンカストラープ空港で、デンマークとの別れを惜しみます。いつかまたここに来れたらいいな、と。

    その国を知るというのは、その国のありとあらゆる側面に出会うことでもありますし、その国の人との対話でもあります。今回の旅は、終わりではなく始まり。私の中で、スカンディナヴィア地方に出会う旅路も、そして、デンマークを知る旅も始まったばかりです。

    参考リンク:今回の旅のアドレスたち

    DDK : デンマークにおけるデザインのコンセプトや歴史を解説したミュージアム。
    Coco hotel :
    コペンハーゲンの駅近ーーヴェスターブロー通りに位置する、おしゃれなブティックホテル。
    Apotek57 :
    素朴な北欧デザインのストリートカフェ。フォカッチャみたいなパンが美味しかった。
    SONNY :
    コペンハーゲン中心地の、最高に可愛くてモードなカフェ。ヘルシー&内装も明るい雰囲気!
    Curfew :
    米国の禁酒法をイメージしたコンセプトバー。クラシカルなインテリアがとてもロマンチック。