インドネシア〜サステイナブルと自然を感じる旅〜
Table of contents
夏にジャカルタへ行ってきた話
アジアを旅すると、いつも「異国でありながら、どこか深い心の繋がり」をローカルの人たちに感じる。
この夏は「ジャカルタに行く!」と決めてから、有言実行でジャカルタにひとっ飛び。
インドネシアってどんな場所だっけ?私にはバリ島の楽しい常夏の記憶しかないけれど……
本当のインドネシアはもっと「エモくて」、「ダイナミック」、だけど途上国の「厳しい現実」もある。
驚くような体験談や、インスタフォトジェニックな冒険をしてきたわけではないけれど、そんな私の一夏の体験談をエッセイ風にまとめました。
インドネシア訪問の目的
2024年時点で、世界第4位の人口を誇るインドネシア。2億7000人が、10000以上の島々にまたがり、多様性を形成しています。
インドネシアの主要産業は鉱業(石油、ガス、アルミ、錫)、農業(米、ゴム、パーム油)、工業(木材製品、肥料、セメント)などであり、豊富は天然資源による、内需による経済自立が可能であることが最大の特徴です。
とても美しい、多様性の島である傍ら、現代の資本主義社会の課題にも多く直面しており、その一つがSDG’sへの挑戦であることには間違いありません。
今回は、「サステイナブル」の意味を理解したい。
今回私がジャカルタを訪れた理由は、「この国と出会うため」。そして、出逢うにあたって、「サステイナブル」が発展途上国において、どんな風に受け止められてるのか見てみたい!私にとって「国と出会う」とは、単に経済や政治を知るだけでなく、文化や歴史、社会を理解することも含まれます。特に現地で1ヶ月過ごすことで、インドネシアの人々の心に触れることができると感じています。
コーヒーはヌサンタラ文化の象徴
ヌサンタラ “Nusantara” はインドネシア語で群島の意を持ちます。これは、数千の島々からなるインドネシアにおいて、民族、文化、宗教、生態系の多様性を表しています。
インドネシアでは、島ごとにコーヒー豆の味が異なります。私が特に気に入っているのは、ジャワとパプアのコーヒーです。ジャワは苦味が強く、ディープで濃い味がお好きな方にはおすすめです。パプアはすっきりとし、なのにしっかりとした味を感じます。
インドネシアの人々にとって、「コーヒーはライフスタイル」の一部であり、多くのコーヒースタートアップや、カフェが立ち並んでいます。若者にとっても、カフェとはインドネシアのカルチャーマーケットを支える重要な産業の一つです。
インドネシアのカフェでは、コーヒーだけでなく、食事のメニューもしっかりしており、仕事をする人々も多く見かけます。また、ドリップの製法にもこだわっており、パンダンリーフやココナッツミルクを使った、東南アジアならではの独創的なメニューも楽しめます。
SONAA : Retroなレコード好きのためのカフェ
昨今は、「サードプレイスとしての概念」も大変インドネシアでは発展しており、少し変わったコンセプトのカフェなども多数あります。
例えば、Senayan Sparkというショッピングモール内に入っているSONAAというカフェ。レトロなデザインのレコードショップでもあり、店内にはレコードやレトロなカラーのセットが目立ちます。しかも、店内に韓国風プリクラのようなマシンもあります。
% arabica : 京都発日本流ミニマリストカフェ
% arabicaというカフェは、ジャカルタ市内でも有数のチェーン店であり、京都初のカフェです。日本風なミニマルスタイルと、各店舗のユニークな建築設計が特徴であり、尚且つ%というシンボルマークを利用したブランディング戦略で成功をおさめています。
Lima chocolat : 緑の植物に癒される、環境志向カフェ
Lima chocolatは、サステイナブルな商品なども同時販売しており、環境を意識したマーケティングを実践しています。カフェの内装もスタイリッシュで、入り口の植物はインドネシアのジャングルのような雰囲気を醸し出しています。
猛暑のインドネシアでは、アイスコーヒーに砂糖を入れるのが人気です。糖分が多いにもかかわらず、蒸し暑い気候の中、歩き疲れた時に飲むと確かに美味しく感じます。最近では、日本でもインドネシアのコーヒー豆が注目を集めています。
インドネシアのカフェとは、「美しい自然がもたらす食材」、それを担う「豆の生産者」や、複雑な生態系により生み出された「豊富な豆の種類」が「人間」と「自然」の調和を織りなしているのです。
サステイナビリティへの挑戦
インドネシアでは、格差による貧困の拡大や、都市と地方のインフラの差が顕著です。地方では、十分な下水道や電気、交通インフラにアクセスできない地域が多くあります。また、人口増加に伴い、失業率が上昇しており、多くの若者が仕事を見つけるのに苦労しています。
さらに、急速な経済成長を遂げる中で、自然との共存が課題となっています。
インドネシアは豊かな生態系を誇りますが、その一方で、天然資源を利用したビジネスの展開が自然環境に負担をかけています。パーム油の生産や森林伐採がその代表的な例です。こうした自然破壊は、生態系にも悪影響を及ぼし、オランウータンなどのインドネシア特有の生物種が絶滅の危機にさらされています。
しかし、最近ではこうした問題に取り組み、サステイナビリティの重要性を訴える企業や若者が増えています。
日本も決してこういう問題とは無縁ではありません。発展途上国のSDG’sに「貢献」し、これまで以上に先進国としての姿勢が問われています。
実のところ日本企業なども、こうしたSDG’sに取り組み、多くの共同プロジェクトを実施しています。
例えば、インドネシアでは医療体制が未熟で、地方と都市では大きな格差があります。
こうした現実に対して、ICTを駆使した「遠隔医療」などのソリューションを提供することにより、地方の医療改善に取り組んでいます。
それ以外にも、AEONなどはインドネシアのジャカルタ郊外にも進出し、都市開発に寄与しています。
一方で、定期的に都市に散らばったゴミ清掃活動を行い、一番ゴミの量をかき集めた人には優勝賞金を贈呈しています。
ライフスタイルと多様性
インドネシアの象徴的なキーワードの一つは「多様性」です。インドネシアは多数の島々から成り立っており、歴史的にはシュリービジャヤ王朝やマタラム王朝、マジャパヒト王朝といった王朝がこの地域を支配してきました。その時代、島々を結ぶ交易や、アジア全体を巻き込む商業が王国の繁栄を支えていました。
これだけの広大な領土、何千もの島々、そしてアメリカの国土の横幅に匹敵する大きさを統治するのに、困難があったのはいうまでもありません。統一をもたらす過程でも、様々な局面で、異なる文化や思想の対立はあるものです。しかし、そうした状況であっても、インドネシアの人々は「多様性の最中、共存していく」ということについて、深く洞察してきたと察します。
その影響か、インドネシアの人々は日本よりも「グローバルな多様性」に優れていると感じます。イスラム教徒が大多数を占める一方で、仏教徒や中華系の移民の子孫も多く、さまざまな背景を持つ人々が共生しています。そのため、人々は互いに対する寛容さを備えており、この姿勢が生物の多様性とも共鳴し、自然の美しさを感じさせます。
インドネシアの人々は自然を大切に考えており、特に若者の間では、自然環境を守る意識が強まっています。彼らは自然の恵みがあるからこそ、生活が豊かになることを理解しているのです。
昨今、「環境保護」が騒がれる最中、そもそもエコロジーとは、「生物の多様性」を理解し、「自然の恩恵」に改めて感謝しつつ、自分達の「生きる意味」として取り入れていくことではないでしょうか。
未来の地球への課題
日本も島国ですけれど、インドネシアとは異なるタイプかもしれません。豊かな自然とインドやマレーシア、旧インドシナ、中国などの古代から続く王朝文明に囲まれながら、衝突、融合、交易が栄えたのは間違いありません。
貿易における利点から、17世紀にオランダ東インド会社も支配しました。戦前、日本軍が占領したという経緯もあり、日本とインドネシアの繋がりは長い歴史でもあります。
一方で、近代国家として、秘めたる可能性を持ちながら、様々な課題が残っているのは事実です。
私は、こうした国々との交流を通じて、強者が弱者を一方的に搾取するのではなく、先進国は発展途上国を支援することが今後ますます重要になってきます。
インドネシアの島々の文化は、人間と自然の本来あるべき姿を問いかけるものです。多様性、環境保護、そして発展途上国の経済支援。
この三つの要素をどのように実現していくかが、未来の地球における大きな課題となっています。皆もインドネシア行ってみてね!
参考リンク:ジャカルタのチルなスポット
OMBE KOFIE : ジャカルタ市内屈指の人気チェーン店♡
St ALI : 広々とした、ローカルな雰囲気満載のクールなカフェ。ご飯系充実で大満足!
First crack coffee :ちょっとリッチな空間で、インドネシアの様々な島から取り寄せた豆はいかが?
SONAA : おしゃレトロなレコード屋さん兼カフェで、ジャカルタのモード仕掛け人になった気分。
Lima chocolat : 癒し溢れるサードプレイス。サステイナブルなアイテムなども販売中。
% arabica : 日本風ミニマリストカフェを見事にジャカルタに定着させている第一人者。
Bogor Botanical Garden : インドネシアの様々な植物が保存されている公園。撮影したらインスタ映えしそう!
Ashta district : インドネシア随一のトレンディなお店が集うショッピングモール兼オフィス。