個人事業主になった話。

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    個人事業主になった経緯をちょこっと。

    人生とは、さまざまな側面が絡み合う豊かな営みです。


    仕事を通して、社会とつながり、生活の糧を得る。
    でも、それ以外にも家族と仲良くしたり、恋したり、友達と遊んだり、健康を気遣ったり、貯蓄や資産形成で自立した生活を維持したり、趣味を思い切り楽しんだり、ボランティアとして人の役に立ったり……これらも人生にとって欠かせない要素です。

    そんな世界で、私はこの4月、独立ーーまずは個人事業主として開業、という新たな道を歩む決断をしました。
    友達、同僚、家族などの周囲からは「急だね」「勇気あるね」と驚きの声もあれば、「わかっていたよ」「そうなる気がした!」という声もいただきました。

    Know yourself. = 自分を知りなさい。自己を知るのってとても大事!

    私自身は、「そうだ。独立するんだ」、と今回の意思決定の大きさを再確認。


    皆は、大体どんな理由で独立するんだろう?
    それまでの葛藤とかあるのかな?
    そのあとが怖くないのだろうか?


    自分で決めたことのくせに、他人の思惑も気になってしまうのです。

    現代では、こうした選択もそれほど珍しくはありません。
    読者の皆様も同じような気持ちに駆られたことありますでしょうか?或いは、「独立したら」「自由に仕事したら」「起業したら」、自分はどうなるのだろうと不安になって、他人の意見を聞きたいと思ったことは?

    今回のブログ記事は、「フリーランスになった理由」と題していますもの、私が独立を決意した理由やそのプロセスを共有し、少しでも皆さんの「生き方のヒント」になればと願っています。

    日本社会で感じた「窮屈さ」

    日本の労働社会では、「安定した雇用」をもたらすべく、「終身雇用」前提で事業が回っております。これにはメリット、デメリット、双方が存在し、「平等な雇用創出の機会」をもたらす一方で、「競争力に欠ける」仕組みでもあります。

    一度、雇用されれば安心してしまう日本では、今更「新しいスキルを習得」したり、もしくは「職を失わないために必死で頑張る」というのもあまりありません。

    企業主体で仕事が割り当てられる時代、個々のスキル可能性を活かす機会限定されてしまうのです。年功序列や、ゆっくりと進めたい風潮も根強く残っており、「こうなりたい」「この能力を活かしたい」と願っても、その実現には障壁が多く存在します。

    ちなみに、ネガティブなことばかりに見えがちな日本企業ですが、こうした雇用制度にメリットがあります。

    従来この仕組みは戦後社会において、万人が職に中長期就けるよう考えられたものです。当時は貧しく、明日を生きるためには生活費を稼ぐことが必要。そのため、多くの人が平等に働けるように考えられた、公平な仕組みでもあるのです。ただ、今や日本は立派な先進国、こうした制度が現在の経済フェーズに相応しいのかというと疑問です。

    日本は経済成長を経て、少子高齢化の時期に突入し、ヨーロッパの国々と類似した水準にあります。

    こうした背景で、日本が目指すべきものは、「優秀な人材の輩出」「グローバル時代のあり方に臨機応変対応する」「イノベーションの創出」です。日本経済の価値を増やすことにより、日本企業に対する世界の需要も高まり、多くの優秀な人材が日本に「来たい」という需要も発生する。

    ですが、残念なことに、今の日本ではまだこうした考え方は受け入れらておらず、浸透していないように感じます。

    誰もが感じたことあるかもしれない、私が四年会社に勤務して思ったこと。

    そして未だに、旧式の組織論で動いているのです。たとえば、パーソル総合研究所小林祐児氏は、NewsPicksの番組で、日本企業の人材育成を「稲作式」と表現しています。

     

    種を蒔き、ゆっくりと育て、収穫する。

     

    ただこの手法の問題は、そもそも時間がかかること。更に、収穫の時期に求めている人材がいるかどうかも不明です。

     

    過去の日本企業では「組織」が強者でした。だから、企業側の依頼に応えて社員は業務を割り当てられたものです。ですが、こうした状況では「専門性」を追求する姿勢に欠けるため、「世界レベルでの高度な付加価値」を創出するとなると難しいです。そして、こうした状況では人事未経験の社員がいきなり人事の要職に就くこともあるのです。こんな世界で、社員が納得できれば良いのですが、組織が徐々に弱くなりつつある今、社員の不満も大きくなっています。

    私も所詮は、日本の組織制度に疑問を抱く人間の一人なのです。

     

    辛いのは、「企業の需要」「自分の需要」をうまく合致させられないこと。
    労働とは、契約であり、条件交渉です。


    最近、上村剛氏著の『アメリカ革命』という本を読みました。「会社」と「国家」は類似しているという発想がとても印象深かったです。要するに、双方のケースで「法律」という名の「契約」が重要なのです。

     

    そこで、やはり改めて、どのような「法律」ーーすなわちルールの企業で働くかが大切だと感じました。

     

    生々しい言葉を使用していますもの、こうした状況で企業側とうまく情報共有と対話を行うことで、互いの望みを満たすのが激しく難しい社会であると感じます。

    なぜ、「自分の能力をフル活用できない」と感じたのか?

    日本もとても好きな国で、特に地方はこれからポテンシャルがある。

    日本で「海外経験」や「語学のスキル」を活かすのは難しい、と感じる方は私だけではないでしょう。
    似たような話はちまちま聞くものです。

    今の日本のグローバルは「形式」だけだと感じます。

    私の仮説では、「グローバル」は「形式」ではなく、本質的な思考や行動のスタイル。
    ただ海外支社を持ち、外国人を採用するだけでは、真にグローバルな成功は得られないのです。
    私にとって優れたグローバルとは、「グローバルな思考」を取り入れながらも、常に成長していく思考です。

    そもそも、私の「想い」と重なる「会社」に、うまく出逢えなかったのも事実です。
    現代の就活の悩みかもしれませんが、最初は薄く重なっても、中々そこを時間の経過と共に増すのは難しいです。人によっては、色々と組織で生活するうちに、「組織のやりたい」と「自分のキャリア展望」が大きく剥離するのではないでしょうか。


    私はかねてから、日本の魅力を世界に広めたいという想いを抱いてきました。
    今や「寿司」や「抹茶」などの言葉は世界に広まり、外国人にとっても馴染みの深いものになっていると存じます。一方で経済の側面では、日本の評判は麗しくないものも多いです。
    私の幼少期は、ちょうど日本が「任天堂」や「SONY」などの凄いブランドを輩出し、世界に名を轟かせながらも、徐々に競合に追い抜かれていった時代です。
    「日本は素晴らしいものがあるけれど、これから変化しないと未来が暗いよ」とは色んな外国人に小さい頃から言われてきたのです。だから、尚更「もっと頑張ればいいのに!」と思います。

    私は、日本企業にとって、世界には多くのビジネスチャンスが隠されていると信じます。
    だから日本と世界を繋げたい!それも政治ではなく、努力と発想で報われる民間の世界で!

    けれど、現実は難しいものです。

    慎重な企業文化が、日本の品質管理へのこだわりやリスク対策などの、「良い面」を作り上げたり。
    「ニッチなオタク思考」が「尖った技術」を提案したり。
    こうした特徴を、「足枷」ではなく、「ポジティブに活用し」、変化するところは変化していく応援ができないものかと考えるのです。

    日本で「海外経験」や「語学のスキル」を活かすのは難しい、と感じる方は私だけではないでしょう。
    似たような話はちまちま聞くものです。


    今の日本のグローバルは「形式」だけだと感じます。

    私の仮説では、「グローバル」は「形式」ではなく、本質的な思考や行動のスタイル。
    ただ海外支社を持ち、外国人を採用するだけでは、真にグローバルな成功は得られないのです。
    私にとって優れたグローバルとは、「グローバルな思考」を取り入れながらも、常に成長していく思考です。

    海外旅は好き。海外生活はもっと好きかも?写真はクロアチアのザグレブ。

    時間の価値を問う。

    最後に、独立を決意した最も大きな理由は、「会社での仕事の時間」に、望む価値を見出せなくなったことでしょう。

    「時間は重要」です。

    会社員生活は収入も安定し、安心感はありますが、本当に自身も成長しているのでしょうか?

    私は、「このままで良いのか?」という思いに駆られる毎日でした。

    私には「日本と海外の二拠点で活動する事業を築く」という夢があります。その実現には長い時間が必要です。

    メリットもデメリットもある重要な決断で私が頻繁に用いるのが、トレードオフ理論。

    そもそも、事業は育てるもの。時間もかかるし、待つだけでは夢は実現しません。


    失敗してもいいから、早く行動を起こすべきでは?


    独立の道は茨の道。
    けれど、そこで得た苦しみも悲しみも失敗も、いずれは自分を強く成長させてくれる源になるのならば、悪いことではないはず。

    困難な挑戦から生まれる、学びや成長は、「無駄」ではありません。「本当の意味」での「宝と呼べる経験」です。

    そんな考えが、一層独立への気持ちをかき立てるものでした。

    しかし、不安がないというのは嘘です。

    安定した顧客も貯蓄もない状況で、独立など危険です。

    失敗して借金でもしたらどうなるのだろう。

    場合によっては、親戚や親に土下座し、お金を借りるのでしょうか。


    私も悲観主義なものですから、映画や物語で見たような情景を想像するのです。

    けれど、何よりも大事なのは「時間」です。お金、失敗、人に迷惑をかけたこと、全ては後から自分の行動次第で取り返せます。

    周囲を変えることはできません(それこそ、今すぐ会社が急成長し、給与も急上昇とかですね)。私の状況では、「自分」が「どんな時間を過ごすのか」は、決められるものでした。

     

    Time is money. (時は金なり)

     

    きっと、何もしない時間を過ごすことの方が、この先五年の最大のリスクに違いない。

    だって、もしこの挑戦に失敗しても、その経験を活かし、再び会社員に戻るのも選択肢の一つなのです。
    何年先のリスクヘッジを考えても仕方ない。

    大きな夢や想いを叶えるには、挑戦する必要があるんだ。

    独立前に知っておいた方がいいかもしれないを書き留めてみた。

    そんなこんなで独立への一歩を歩み......

    今回はそんな感じで、私が個人事業主として独立に至った背景を語りました。まだ始まったばかりの旅路……けれど今の社会で生き方を悩む人にとって少しでもヒントになればいいな!